電気の基礎知識

インバーターエアコンの消費電力は、なぜ定格値より低いのか

「エアコンのカタログには15A前後と書いてあるのに、実際に使っていてもブレーカーが落ちない」と感じたことはありませんか。これは、カタログの「定格消費電力」と、実際の運転中の消費電力が必ずしも一致しないためです。

定格消費電力は「基準条件での値」

エアコンの定格消費電力は、JIS規格で定められた基準条件(外気温・室温など)で機器を連続運転した際の消費電力として表示されています。これはあくまで「基準点」であり、実際の使用環境や運転状態によって消費電力は大きく変動します。

インバーター制御による変化

現在販売されているルームエアコンの多くはインバーター制御を採用しています。インバーター機は、運転開始時には能力を高めて素早く設定温度に近づけ、その後は室温に応じて圧縮機の回転数を落とし、低い消費電力で運転を維持します。つまり、一日のうちで定格消費電力に近い状態が続く時間は限られており、多くの時間は定格値より低い電力で動いていることになります。

また、インバーター機は始動時に低い周波数からゆっくり立ち上がる特性があるため、従来型(非インバーター)のエアコンのように起動の瞬間に大きな電流が流れてブレーカーが落ちる、というケースは比較的少ない傾向があります。

注意点:外気温が低いときは要注意

一方で、外気温が非常に低い状態で暖房を使う場合、インバーターが能力を最大まで引き上げ、定格値を上回る消費電力になることがあります。寒冷地や真冬の早朝などは、通常時より高めに見積もっておくと安心です。

状態消費電力の傾向
運転開始直後(設定温度に向けて)能力を上げるため、定格に近い、または定格以上になることがある
設定温度に到達後(安定運転)能力を落とすため、定格より低くなることが多い
厳冬期の暖房(低外気温)能力を最大まで引き上げ、定格を上回ることがある

インバーター機の実使用目安を考慮したうえで、契約アンペアが足りているか計算してみましょう。

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